「このまま結婚して、本当に幸せになれるのかな?」
婚約していた当時、毎日のようにそんな不安が頭をよぎっていました。
彼は優しくて、仕事も安定していて、周りから見れば“理想の結婚相手”だったと思います。
でも、私は心のどこかで「彼氏との距離感、本当にこの人でいいのだろうか」という不安がありました。
いわゆる“マリッジブルー”。ってものですね。
それが一時的な不安なのか、それとも結婚をやめるべきサインなのか、自分でも分からなくて。
誰にも相談できず、結婚が怖くてたまらない、でも辞めるのも怖い。精神的に病むほどでした。
そして私は、悩みに悩んだ末、結婚をやめるという決断をしました。
あの時の決断が正しかったのか、すぐには答えが出なかったけれど――
今は、あの時の決断は間違いではなかったと思えています。
この記事では、
マリッジブルーで結婚を迷い、別れを選んだ私の体験と、
その後どのようにして今の夫(弁護士)と出会い、結婚に至ったのかをお話しします。
同じように、マリッジブルーで迷っているあなたの気持ちが少しでも軽くなるように。
「どんな選択をしても、幸せにはなれる」ことを、私の経験からお伝えできたら嬉しいです。
結婚が怖くなった。私がマリッジブルーで別れた理由

当時、私は26歳。彼は8歳年上の薬剤師で、薬局の1店舗を任されている安定した職業の人でした。
とにかく優しくて、私の話をよく聞いてくれる。そしていつも親身になってくれる。
私は、そんな彼のやさしさに惹かれていました。
付き合って数年が経ち、「そろそろ結婚を考えるべきかな?」と私から話を切り出しました。
すると彼は「うーん、そうだね。結婚も考えるか」と、どこか曖昧な反応。
結婚に対して強い意志があるようには見えませんでした。
ただ、彼は流れに逆らうようなタイプではなく、「まあ、いいか」と思っていたのか、
そのまま私たちは婚約まで進んでいきました。
けれど、その頃から私はふとした時に不安を感じるようになりました。
彼は本当に私のことを好きで結婚したいと思っているのかな?
私のこと、どう思っているんだろう?
というのも、彼から「好き」と言われたことが一度もなかったんです。
スキンシップも、いつも私から。
思い返してみると、ここまでの交際も婚約も、全部私が主導して進めてきたことばかりでした。
もしかして彼は、ただ人として優しいだけで、恋愛感情とは違うんじゃないか?
そう思い始めると、気持ちはどんどんネガティブな方向に。
このまま結婚したら、何もかも私が進めなきゃいけないんじゃないか。
本当に私は彼にとって必要な存在なのかな?
愛されてるって言えるのかな?
不安は止まらず、ぐるぐると頭の中を回っていました。
そして迎えた私の誕生日。
彼はちゃんと食事を予約してくれて、お祝いをしてくれました。
「やっぱり私のこと、好きなんだよね」と少し安心したのですが、
どうしても心の中に引っかかっていた“あの不安”を伝えてみることにしました。
「今まで、好きって言ってもらえなくて不安だった」と。
すると彼は、「うーん」とだけ。
沈黙のあと、私が「好きって言ってほしい」と伝えると、
彼の返事は「嫌、言えない」でした。
その言葉が、私にはショックで。
嫌って何?言えないってどういうこと?
婚約したけれど、そんなに私のこと好きじゃないの?
そう思うと、訳がわからなくなって、店を出たあと泣いてしまいました。
今思えば、少し面倒くさい女だったなとも思います。
その後も、「好きって言わせるのはおかしいよ」という彼の主張と、
「でも気持ちを知りたい」という私の思いは平行線のまま。
無理に言わせたいわけじゃない。
でも、彼からの好意をちゃんと感じられない今の関係で、
私はこの先もやっていけるのか、不安は消えませんでした。
彼からスキンシップを求められたこともなく、言葉でも行動でも愛情を感じにくい。
自分の中で「この人と本当に結婚して大丈夫なの?」という疑問が大きく膨らんでいきました。
そして私は、いよいよ「結婚をやめるかどうか」という選択と向き合うことになったのです。
婚約は辞めると決断した理由

正直、彼と婚約したときから、薄々感じていたんです。
“このまま結婚して本当に幸せになれるのかな”って。
彼はとても優しくて、安定した仕事にも就いている。
でも、肝心な「好き」というシンプルな感情――それだけは、彼からは一度も伝わってきませんでした。
このまま結婚して、子育ても生活も、ずっと私が主導していくんだろうか。
私が彼を好きなのは確かだけど、その分、どこか満たされない。
彼のやさしさは、恋愛感情というより人としてのやさしさに思えてしまう。
これで私は本当に“幸せな結婚生活”を送れるのかな――そんな不安ばかりが募っていきました。
実は、彼のことが好きすぎた私は、自分の本音をずっと隠してデートしていたんです。
無理に明るく振る舞ったり、楽しくないのに笑ってみたり、
「彼に好かれたい」と思う気持ちが強すぎて、本当の自分を出せなくなっていました。
今思えば、そんなふうに“頑張らないと一緒にいられない関係”だったんですよね。
だから、たとえ彼が「好き」と言ってくれたとしても、
私が素をさらけ出したときに、その気持ちはどうなるんだろうという不安もありました。
私が思い描いていた結婚は、
お互いに好きで、尊敬し合って、ありのままの自分でいられる関係。
でも、彼と結婚したら、その理想からは遠くなる。
「幸せ」よりも、「我慢」が増えていくような気がしたんです。
そう気づいたとき、私は決意しました。
――婚約をやめよう、と。
もちろん怖かったです。
この決断で彼を傷つけてしまうかもしれないし、
もしかしたら、もう二度と結婚できないかもしれない。そんな不安もありましたが、でもこんな不安を抱えて結婚はできない。
そうして、彼との別れを決断しました。
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このまま一人かも…」そんな不安を感じたことがあるあなたへ。
決断後にも迷い
彼との婚約をやめると決めたあの日から、私の心はしばらく空っぽでした。
「こんな大変なこと、してよかったのかな」
「悩んでいる時点で、結婚すればよかったんじゃない?」
そんなふうに、別れたあとも自分の決断を何度も責めました。
あの時感じていた不安が本物だったのか、
それともただのマリッジブルーだったのか、答えなんて出ないまま、心はモヤモヤしたままでした。
立ち直るまでには、正直、1年くらいかかったと思います。
新しい出会いがあるわけでもなく、何かに前向きになれる気力も出ず、
ただぼーっと過ごす日々。
何かに打ち込むこともなく、未来を考えることもできず、
気づけば「私、このままずっと一人なのかな」と、どん底の気分に沈んでいきました。
惨敗ーー相手にはされない

彼と別れてしばらくは、自分のことで精一杯でしたが、ふと気がついたんです。
周りの友達はどんどん結婚していく。
気づけば、職場の同僚や学生時代の友人たちが次々と結婚・出産している現実。
私はというと、「結婚したい」という気持ちは正直あまり強くなかった。
でも、このままで本当にいいのかな……と、漠然とした不安が心に広がっていきました。
紹介や偶然の出会いなんて、待っていても何も起きない。
「行動しないと、あとで後悔するかもしれない」――そんな思いから、思い切って婚活パーティーに参加してみることに。
…結果は、惨敗の連続でした。
参加しても会話が続かない、マッチングはできませんでした。
回を重ねるごとに心は折れていき、「私ってそんなに魅力ないのかな」と自信もなくしていきました。
気づけば婚活自体が嫌になり、やる気もなくなっていました。
そんなとき、職場の男性から突然「好きです」と告白されたんです。
思いがけないタイミングでした。
婚活では全くうまくいかなかったし、もう婚活での出会いは無理なのかもしれない。
だったら、こうして好意を持ってくれる人ととりあえずでも付き合ってみるべき…?
そんな打算も…。
でも、やっぱりその男性とは付き合えなかった。
話をしていて楽しいとは思うけれど、結婚を考えられる相手かと言われると違いました。
頼りない一面や、小さな嘘をさらっとついてしまう軽さ。
職場の人という枠から出ることはなかったです。
断ったあと、ふたたび「もう出会いなんてないのかもしれない」という不安に襲われました。
年齢は20代後半。
周りはどんどん結婚していくし、出会いのチャンスも減っていく一方。
「結婚したいと思うなら、きっと今が頑張り時なんだろうな」
そう思って、心を奮い立たせて、もう一度婚活パーティーに参加しました。
――そして、再び惨敗。
「なんか、もう絶望感しかない…」どこかにミラクルがあるんやないか?と淡い期待をした私。バカすぎて、虚しくて悲しかったです。
20代後半になってもマッチングすらしない現実に、心がぽっきり折れました。
もしかして私には魅力がないのかも――
そんな思いが頭から離れず、街を歩けばカップル、夫婦、家族…。
周囲が“幸せそうな人”であふれて見えて、ますます自信をなくしていきました。
「私は何かが足りないんだ」
それが何かは分からないけれど、少なくとも今のままではだめだと思ったんです。
そこから、私は試行錯誤を始めました。
(この時期の試行錯誤については本当に長くなるので省略しますが…)
見た目、会話、デート中のマナーまで、ひとつずつ徹底的に見直しました。
どんな服が印象に残るのか、どう話せば会話が弾むのか、笑顔や目線の使い方まで研究して、とにかく“試してみる”ことを繰り返しました。
すると、不思議なほどマッチングされやすくなったんです。
特に大きかったのは「見た目」を整えたこと。
婚活パーティーって、ほんの数分のやりとりしかないので、
その短時間で好印象を残すには、やっぱり見た目の力が大きいんだなと実感しました。
それからは、何度かカップリングができるようになりましたし、
実際に付き合うことも増えていきました。
でも…付き合ってみると、やっぱり違和感があるんです。
「なんか違うな」「なんでこんなことでモヤモヤするんだろう」
そんな感情がどこかで出てきて、結果的にまた別れることに。
再び婚活パーティーに参加すれば、マッチングはできる。
付き合うこともできる。
だけど、「この人だ!」と思える人には出会えない。
マッチングすればきっとかわると思っていたのに、結局また婚活パーティーに行く…。
気づけば私は、婚活の中でまた迷子になっていました。
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結婚したいのではなく、“好きな人と一緒にいたい”だけだった

婚活をしていると、いつの間にか「相手のスペック」にばかり目がいくようになっていました。
職業は?年収は?家族構成は?将来性は?…まるで条件チェックのように。
でも、そうやって頭で考えてばかりいると、
“この人と一緒にいたい”とか、“なんか楽しい”っていう気持ちが湧いてこないんですよね。
ふと気づいたんです。
「結婚したい」って思って頑張ってきたけど、
本当は私は、“好きな人とデートして、楽しい時間を過ごしたい”だけだったんだって。
結婚は、その延長線上にあればいい。
でも、まずは「この人と一緒にいたい」と思えるかどうか――そこが一番大事だったんだと、ようやく自分の本音に気づくことができました。
そう思えた私は、もう一度、婚活パーティーに参加することにしました
そして、今の夫と出会う――まさかの“結婚しない宣言”
その日、パーティーで出会ったのが、今の夫でした。
でも彼は最初からこう言いました。
「転勤でこっちに来ただけで、また1年後には異動が決まってる。だから結婚とかは考えてない。ただ、1年間話し相手になってくれるような、楽しく過ごせる相手を探してるだけなんだ」
もし、これが以前の私だったら――
結婚願望がないなんて聞いた瞬間に、対象外にしていたと思います。
でも、あの時の私は違いました。
「楽しく過ごせる関係」でいい。
“条件”じゃなくて、“人”を見たいって思っていた私は、むしろそんな彼の正直さや誠実さに惹かれました。
婚活の場で、あえて不利になるようなことを正直に言えるって、
それだけで誠実な人なんだろうなって。
むしろ、好印象だったんです。
結婚は考えていなかった彼と、1年後に結婚した

この人とマッチングできたらいいな。と思い、久しぶりに少し緊張しつつも会話の時間は終了。
マッチングするかどうかの不安はあったものの、いつも通りだから大丈夫な気がしました。、(ここでは過去に試行錯誤した成果が出たと思う)
そして思った通りマッチング。ちなみに…この時は彼が弁護士だとは知らなかったです。(プロフィール欄は会社員でした)
結婚を考えない前提で(笑)付き合うことになりましたが…
最終的にはさまざまなタイミングが重なり、
この出会いからちょうど1年後、
彼の転勤先で、私と夫は入籍届を出すのでした。
夫との結婚には、マリッジブルーがなかった
驚くことに、今の夫との結婚では、
あのとき感じたようなマリッジブルーが一切ありませんでした。
「結婚できること」が嬉しいんじゃなくて、
「彼と結婚できること」が心から幸せだと思えたんです。
夫は、日頃からちゃんと愛情を言葉で伝えてくれる人。
行動も面白いぐらいまっすぐで、ド直球なんです。
だから、以前のような「本当に愛されてるのかな?」という不安もなかったし、
そもそも“結婚に対する迷い”なんて一切出てこなかったんです。
焦って結婚しなくてよかった。マリッジブルーは警告

思い返せば、あのときマリッジブルーで婚約を解消したこと。
あの決断は、人生の中でもとても勇気が必要でした。
でも、今となっては、
「あの時、焦って結婚しなくてよかった」と、心から思います。
マリッジブルーって、ただの“結婚前の不安”ではなくて、
“心が気づいている違和感”なのかもしれません。
「何となく不安」や「理由がわからない不満」は、
見て見ぬふりをして結婚すると、後々もっと大きくなることもあります。
私の場合は、その違和感を無視しなかったのが良かったのだと思います。
時間はかかったし、辛かったし、苦しかったけれど…
今の結婚が幸せだなと思えるのは、マリッジブルーがあったからだと思います。
最後に…結婚はゴールではなくスタート
今の彼との結婚に、なんとなくモヤモヤがある。
「このままで本当にいいのかな?」
「でも、別れて後悔したらどうしよう…」
そんなふうに迷う気持ち、私も経験しました。
でも、悩むということは、どこかに「違和感」や「不安」があるからかもしれません。
結婚は“ゴール”ではなく、“スタート”。だからこそ、その不安を無視しないでほしいんです。
もちろん、すぐに答えを出す必要はありません。
でも、もし少しでも「他の可能性も見てみたい」と思えたら、新しい出会いを探すことも選択肢のひとつ。
私も一度は婚約を破棄し、悩みながら婚活を始めました。
そして今では、心から信頼できる夫と結婚し、幸せです。
もしマリッジブルーが続くようなら、新しい出会いにも目を向けてみてください。
新しい道が見つかるはずです。